AIの急速な進化により、様々な職種が消滅してしまうのではないかと言われておりますが、2015年に野村総合研究所が出したニュースリリースでは、「10~20年後には、日本の労働人口の約49%がAIに代替することが可能」と発表されています(オックスフォード大学との共同研究)。
特にここ数年、飲食店を訪れても、飲食物のサーブもロボットが行い、支払いも無人レジにて行うようになっているところが増えてきているなと感じるようになりました。
そう遠くない未来で、今ある仕事の多くがAIによって行われるのではないかと思われます。特に、記憶や分析といったことについては、ビックデータをもとにAIが行った方が圧倒的に早く効率的に行うことができるので、任せてしまった方が良いでしょう。
では、AIが加速度的に成長し、パンデミックや戦争など、先行きが見通せないVUCA時代(※)において、生き延び、求められる能力とは何なのでしょうか?
プロデュース力
AIは、ビックデータをもとにして様々なことを行うことについては高い生産性を発揮しますが、ゼロから新しい何かを生みだしていくことは得意とはしていませんので、ひとつは、新たな発想でクリエイティブにプロデュースしていく力であると言えます。
プロデュース力とは、新たな発想や掲げたビジョンを具体的な成果物や実際に行動に変えていく力です。ビジネスにおいては、新たな商品開発やプロジェクトの推進、ライフスタイルにおいても様々な自己実現に及びます。
素晴らしい発想が出来ることは大切ですが、それだけでは駄目で、それを実際に具現化していくことが重要です。アイディアを具体的な商品やサービスに変えていくために、プロデュース力は求められるのです。
特に、VUCA時代では瞬時に取り巻く状況が変化していきます。そうした中で、変化に適応するバランス感覚を持って、その時の状況に応じて、ヒト、モノ、カネ、情報とったリソースを最適に配分し、最高のパフォーマンスをあげていく適応能力もまたプロデュース力なのです。
リーダーシップ/コーディネート力
そして、不確実で変化が激しい現代おいて、組織やチーム内では、瞬時に戦略的な方向性を示していく役割が求められるため、もう一つVUCA時代に求められる能力がリーダーシップ力であると言えます。
リーダーシップは、単なる指導者としての役割だけでなく、組織やチームの目標を達成していくために影響力を発揮していく力でもあります。
変化が激しく不確実な時代だからこそ、チームの結束力を強化し、士気を高めるリーダーが求められ、それにより組織やチーム全体のパフォーマンスを最大化できるのです。
一方で、時代の潮流を俯瞰してみると、ほとんどの人が、スマホやITツールを所有し、様々な情報発信を行うことができ、ビジネスモデルによっては、個人が大きな組織を凌駕する結果を出している例も少なくありません。場面は違えど、こうしたマイクロメディアの時代において、より相乗効果を発揮し、大きなパフォーマンスを上げていくためにも、個と個を繋ぎ合わせるコーディネート力、そして、それらを束ねて牽引していく力、すなわちリーダーシップが必要なのです。
リーダーシップ力を高めるためには内省により自己認識を深め、自身の強みと弱みを理解することから始め、リーダーとして成長していく意欲を持ち学びつづけることが必要です。
リーダーシップは決して一人で発揮するものではなく、他者との関わりの中で、共感を持ち、協働していくことで、高めていけるのです。
コミュニケーション力
そして、もう一つは、コミュニケーション力であると言えます。先ほどの飲食店での料理のサーブをロボットや機械が行ってくれるとしても、会話がない分、無味乾燥に感じてしまいます。学校の先生のような仕事でもオンライン学習のように一方向での情報発信だと、困った時に相談したり、方向性を示してもらえることがないですし、販売等における営業を行う際も、お客さんとのコミュニケーションがあってラポールを構築することができて商品が売れたりすることを考えると、こうした職種は即座にAIにとって代わられるということは考えにくいのではないかと言えます。
唯一無二性
もう一つ、個人の特性について言うと、現代は、AIやテクノロジーの急速な進化により、誰にでもとって変わられる存在では、淘汰されてしまう時代です。そこで求められるのが、他には類を見ない、個性と独自性を持った存在です。他の人とは、異なる視点や独自の価値観、アプローチを持ち、自分自身を差別化していく、すなわち唯一無二性が求められているのです。
唯一無二性を持てば、他とは違った存在感を放ち、より高い評価を受け、認知度も向上していきます。そうすることで、VUCA時代の荒波を乗り越え、生き残る鍵となるのです。
唯一無二の存在になるためには、自分が出来ることの領域において、独自の視点やアプローチを持ち、他とは一線を画するスキルを磨き、卓越したレベルに到達することが必要です。
そして、さらに最強なのが、自分自身の個性や強みを理解し、それら複数の強みを掛け合わせることで、他者とは違う独自の価値観を持った存在になることが出来るのです。
そして、それらを進化させ、自身が今いる領域におけるスキルに新たなスキルを掛け合わせ、より相乗効果を発揮するように統合していくことが、最強の方法です。
唯一無二の存在になるためには、内省による自己認識と不断の自己成長が重要です。
「次世代プロデュース 成功のセオリー」実践セミナーでは、プロデュース力、リーダーシップ、コーディネート力、コミュニケーション力、唯一無二の存在になるための理論をあますところなく解説していますので、VUCA時代においてバランス感覚をもって乗り切り、人より早く成功したいと思っている方は、是非、ご覧いただければと思います。
※VUCA時代とは?
VUCAとは、V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字をとった造語です。
このVUCA時代においては、政治、経済、社会、ビジネス、個人のライフスタイルなど、様々なことが複雑化し、未来予測が難しい状況にあると言えます。
コロナパンデミックや異常気象、地震、台風、大雨といった災害、グローバルな視点で見ても、政治情勢の不透明さや戦争等、簡単には予測できないことが起こっています。
また、IT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)により、新たなビジネスモデルが生まれ、レガシーシステムからの脱却やひと昔では当たり前だった終身雇用も、もはや当たり前ではなくなり、SNS等の普及により簡単に個人で情報発信を行うことが出来る、言わばマイクロメディアの時代でもあると言えます。